日常的に車いすで生活していて、遠出のなかなかかなわない方たちに、飛行機などを利用して旅行を楽しんでもらい、社会生活を豊かに送ってもらおうという趣旨の事業です。参加の対象は、各回、障がい児者とその家族10組。ボランティア20人が支えます。NPO法人フュージョンコムかながわ・県肢体不自由児協会との共催です。
この旅の原点は、事業団が発足した次の年1978年8月に行われた「車いす新幹線の旅」です。「新幹線の旅」は、その後1986年まで続き、翌1987年夏からは飛行機を利用する「空の旅」になりました。そして、2001年からは、沖縄と北海道への年2回の旅に変更。しかしながら、2020年からは新型コロナウイルス感染拡大(以下コロナ)により宿泊を伴う「空の旅」は中止を余儀なくされました。それでも2021年から代替事業として、日本航空(JAL)などの協力を得ながらチャーターフライトを実施。2023年から1泊2日の北海道への「空の旅」を再開する予定です。
児童福祉施設で生活し、原則として中学校を卒業する生徒を対象に、そのお祝いとして、3月に2泊3日の日程で、山形蔵王温泉スキー場で実施しているのが「神奈川新聞スキー教室」です。事業団発足の翌年1978年から続いている恒例行事で、事業費には歳末たすけあい募金を充てています。
こちらも「空の旅」同様、コロナの影響により2020年から中止となりましたが、2023年2月に「チャーターフライト」で約3時間のフライトを楽しみました。参加した生徒からは「初めて飛行機に乗ることができてよかった」「クルーの会話術や仕事ぶりを間近で見られて勉強になった」「いつか自分も世界中を飛び回りたい」など、事業団に寄せられた礼状に、喜びがあふれていました。
県内の交通遺児家庭に、夏休みの楽しい思い出をつくってもらおうという趣旨で、県社会福祉協議会と神奈川新聞厚生文化事業団が主催し、1泊2日の日程で千葉県浦安市の東京ディズニーリゾートで行っていました。
毎回数十人の親子が参加する人気のイベントでしたが、2020年からはコロナの影響で実現できませんでした。その代わりにディズニーのオリジナルカレンダーを、登録している全世帯にアンケートと共に配布し、多くの世帯から好評をいただきました。
神奈川新聞社が横浜みなとみらい21地区の海上で打ち上げる「神奈川新聞花火大会」に障がい児者、交通遺児、児童福祉施設等で生活している子どもたちを招待する事業です。観覧場所は、同地区のワールドポーターズの屋上駐車場。横浜インポートマートの全面的な協力で、2000年から実施していました。2016年開催後、主催者から「次年度以降の開催休止」が発表され、さらに新型コロナウイルス感染拡大の影響も重なり、しばらくは花火大会鑑賞は見送られていました。2022年に「スマートフェスティバル」の一環として花火も実施され、事業団でも招待事業を再開いたしました。
4年制大学や短期大学、専門学校に進学を希望し入学した、以下の対象に当てはまる高校生等に、入学支度金を支給するものです。返済義務はありません。
対象は、A)児童福祉施設に入所しているか、または養育里親の下で生活している高校生等(20万円)、B)交通遺児の高校生等(30万円)。ともに高等学校卒業程度認定試験合格者を含みます。A,Bともに、毎年11月から翌年1月末までの間に申請してもらい、それぞれの選考委員会がA)8人、B)3人を選考します。
障がい児者や高齢者、福祉的支援が必要な人たちがつくる当事者団体や、これらの人たちを応援するボランタリー団体等が展開する事業、あるいは日常生活に欠かせない備品を備えるなどの際、必要な経費の一部を助成しています。
助成の額は、上限5万円。助成を受けようとする事業の必要経費の2分の1を限度とし、自己資金を確保していることが前提です。1団体・グループへの助成は年1回ですが、随時受け付けています。
補助金を受けようとする事業の計画書と収支予算書、申請する団体・グループを説明する書類(団体の規約、役員名簿、直近の総会資料、その他パンフレット、冊子など)を持参の上、事業団事務所でご説明いただき、その上で申請書等をお渡ししています。なお、日常的な運営経費や、行政はじめ他からの委託事業、またはすでに終わった事業は対象にしておりません。
また、2009年度から公的な取り組みや、社会的な認知が求められているのに、手が差し伸べられていない分野での先駆的な市民活動を対象にした「活動支援奨励金」の支給を行っております。